黒を基調とした不気味な姿と悪趣味(?)な笑い声で、全国のチビっ子たちを恐怖のどん底へつき落としたブラックシンカリオンの運転士、セイリュウ。
しかし!
ハヤト達の仲間となった今ではすっかりその牙も抜け、正月には一緒にソバすするカワイイ男の子に大変身!
彼に一体何があったのでしょうか?
という方のために、今日はそのセイリュウが仲間になるまでの一部始終をまとめてみました。
どうぞごゆっくりご覧下さい!
ヒトの世界へ
シンカリオン「E5x500こだま」との死闘の末に敗れ、ヒトの進化をもっと知りたいと感じ始めたセイリュウ。
別れ際のハヤトのセリフ、
「教えてよセイリュウ、キミの好きなものは…何?」
が頭から離れません。
「ヒトに興味があるなら、ヒトの姿になって接触すればいいじゃない…?」
セイリュウの話を聞いたスザクはそう言うと、彼を人間の容姿に変えてあげるのでした。
ヒトとなって上野動物園に姿を現したセイリュウ。
そこへアズサが迷子の外国人と勘違いして声を掛けてきます。
セイリュウが「新幹線が見たい」と言うと、アズサは一人の男の子を引き合わせました。
その男の子に上野駅ホームで新幹線を見せてもらい、「好き」という言葉を知ったセイリュウ。
後にアズサから彼が「速杉ハヤト」であることを知り、衝撃を受けます。
ハヤスギハヤトへの憎悪
そんな折、ヒトとの対話の道を進めようとしていたゲンブがハヤトによって倒され石化してしまうという事件が発生。
これがソウギョクの策略だとも知らず、セイリュウはハヤトに憎しみを抱き始めてしまいます。
ある日、鉄道博物館駅のホームでハヤトを待っていたセイリュウはハヤトに問います。
「ハヤスギハヤト…ゲンブを殺したのか?」
不本意な戦いであったが故に返事に苦しみ、黙ってうなずくしかないハヤト…。
それを見たセイリュウは彼が敵であることを再認識。
ゲンブの仇を撃つためブラックシンカリオンでの出撃を決意するのでした。
かたき討ちの結果…
セイリュウの相手は、ハヤトとリュウジがクロス合体したシンカリオン「E5xドクターイエロー」。
最強の相手を前にセイリュウは激しい戦いを繰り広げますが、お互いの適合率が臨界点に達しようとしたその時、二人の意識は精神空間へと飛ばされてしまいます。
暗闇の中で対話するセイリュウとハヤト。
「教えてよ、セイリュウの好きなものは何…?それがわかれば、僕たちは戦わずに済むかもしれない…!」
ハヤトの言葉に動揺するセイリュウ。
自分の「好き」なもの…
セイリュウは目の前にあるシンカリオン「E5xドクターイエロー」を羨望の眼差しで見つめます。
しかし…しかし、目の前にいるのはゲンブの仇!
ここで意識が戻ってしまった二人は再び激しい戦いを始めます。
剣を振るいながら、何度も首を振って葛藤するセイリュウ。
「俺は…どうしたらいい!? 教えてくれ、ビャッコ、ゲンブーッ!」
葛藤の末に出した答えはヘルグランクロスによる「E5xドクターイエロー」の破壊…!
セイリュウはキトラルザスには出るはずのない涙を浮かばせながら、シンカギアのレバーを最大まで引き上げます!
これに対しハヤトも仕方なくウルトラグランクロスで対抗!
お互いの最強技は激しい火花を散らしてぶつかり合い、そして…!
壮絶な打ち合いの末に敗北を喫したのは…セイリュウでした。
戦闘後の夕暮れ。
戦いに敗れ立ち尽くしているセイリュウのもとへハヤトが近づいてきます。
ゲンブの件について説明をしようとするハヤトですが、セイリュウはそれを遮り、
「本当の事はわからないが、あの時…ゲンブと同じ事を感じた自分を信じたい」
「俺も、シンカリオンが好きだ…」
と言い残してその場を去るのでした。
キトラルザスとの決別
地底のキトラルザス本部では、敗北したセイリュウの処罰について大盛り上がり。
その様子を伝えに来たスザクに対し、セイリュウはもう地底には戻らないことを告げます。
セイリュウに何かしらの変化が起きている事を感じたスザクは引き留めることをせず、「寂しくなるわね…」と言い残すだけでした。
行き場所を失ったセイリュウ。
偶然にも再び上野駅構内でアズサに声を掛けられます。
ゲンブがヒトと楽しく過ごしていた事をアズサから聞いて驚くセイリュウは、その会話の中でゲンブも食べたという「ケーキ」に興味を示すのでした。
しかしその時、黒い貨物列車が出現。
敵は新たに地底から来た強敵「クレアツルス」…!
ハヤト達の苦戦を感じたセイリュウに、アズサは助けてあげてほしいと懇願します。
まだキトラルザスを完全に裏切ったわけではないセイリュウは戸惑いますが、
「お願い、ケーキあげるから!」
というアズサの一声に負けて出撃を決心。
セイリュウの助けにより、ハヤト達はクレアツルスの撃退に成功するのでした。
その夜、超進化研究所の忘年会にてアズサから約束のケーキを貰うセイリュウ。
「俺はケーキと言うものを食べに来ただけだ… 他のヤツラにはバラすなよ」
と強がりますが、初めて食べたその味に驚き、アズサに少しだけ心を開くのでした。
クリスマスとケーキ
世間はクリスマスムード一色。
すっかりケーキにハマったセイリュウ、再び上野駅でクリスマスケーキのポスターに釘付けなところをアズサに見つかります。
迷子になっているだろうとセイリュウを気にかけるアズサに、セイリュウは大きなお世話だと言って立ち去ろうとしますが…。
「ねえ、ケーキ食べに行かない?」
「…!」
またしてもケーキの誘惑に勝てなかったセイリュウ。
「いいか…オレが今日ここにいることは内緒だぞ!」
強がってはいますが目の前のケーキに興味津々です。
それをおそるおそる口に運ぶと…
「! これがヒトの進化の到達点か!」
「…なに?その理科チックな食レポ…」
ドン引きのアズサをよそに、その後は夢中でかきこみ始めるのでした。
喫茶店を出た二人の目に入るのは、ヒトやモノすべてが赤と緑で彩られたクリスマスカラーの上野の街。
会話の中でクリスマスを知らないと言いだしたセイリュウに対し、何かを思いついたアズサは彼を連れて大宮行きの新幹線に乗り込むのでした。
素直に…
アズサの策はセイリュウをバレないように変装させ、超進化研究所のクリスマスパーティ準備に参加させてあげようというものですが…
「こ、こちらは留学生のジョージ…くん」
苦しいネーミングでしたが、ハヤト達は疑いを持つことなく快く受け入れ、パーティー準備を始めます。
クリスマス準備が一段落し、絵の具で汚れたエプロンを洗って屋上で乾かすアズサとセイリュウ。
アズサが先に部屋へ戻ると、その入れ違いでスザクが現れます。
スザクは「処罰はないから地底に戻れ」というソウギョクからの言葉を伝えますが、セイリュウにはどうしたら良いかわかりません。
スザクはそのまま続けます。
「シンカリオン、好きなんだもんね? …私はアンタがどうしようと興味ないわよ、ゲンブ達と違ってアンタを可愛がってたわけじゃないし。…でも、今みたいに素直なアンタはちょっと可愛く思えるけど、ネ」
それでもセイリュウはうつむいたままでした。
その夜、キトラルザス幹部の一人であるトラメが襲来しハヤト達と戦いますが、狙いは明らかにセイリュウ。
誘いに乗った形で参戦し撃退するセイリュウですが、これでキトラルザスへの反逆が確定と見なされてしまいます。
戦闘後、研究所に戻ったハヤト達。
彼らは留学生の正体がセイリュウであることを最初から知っていた様子で、アズサに
「俺たちが知らないフリをしていれば、パーティ当日も来てくれるよね?」
と考えていた事を明らかにします。
それに対し、アズサは困惑と苦笑い。
「どうだろうねぇ… あの子、ホント素直じゃないからなぁ…」
新しい世界へ行くということ
クリスマスイブの日、みたび上野駅でセイリュウを見つけたアズサ。
今日はハヤトを連れ、シンカリオン好き同士仲良くしてほしいとお願いをします。
「俺はお前たちと慣れ合うつもりは…」
と拒否するセイリュウですが、ハヤトが差し出したお土産のケーキだけは断る事は出来ませんでした。
一方、超進化研究所はフタバの婚約者、ヤクモが現れて大混乱。
ネオンが光る街中でヤクモにプロポーズされたフタバでしたが、返事はできませんでした。
駅でセイリュウ達と遭遇したフタバは自分の迷いをそれとなく3人にこぼします。
「新しい暮らしを選ぶって素敵なことだけど… それまでいた世界とはお別れ、ってことなんだね…」
フタバの言葉を神妙な面持ちで聞き、考え込むセイリュウ。
その後、駅でハヤトから一枚のカードを手渡されてその場は解散となりました。
覚悟と決意
クリスマス当日。
セイリュウはブラックシンカリオンに乗ってトラメを誘い出します。
お互いに決着をつけようと戦いを始めますが、本気を出したトラメの強さは凄まじく、次第にセイリュウは劣勢へ…。
トラメに動きを封じられたセイリュウは絶体絶命のピンチ!
さらにその状況でトラメの口から衝撃の真実が発せられます。
「スザクもゲンブと同じ目に遭うだろう、ゲンブはソウギョクに石化されたようなものだ!」
「なっ… なんだと!?」
激高するセイリュウですが、トラメの圧倒的な力の前に状況を覆せません。
ついにトラメがトドメの一撃を繰り出そうとした、その時…!
「やめろー!」
突然ハヤトが飛び込み、セイリュウは窮地を脱します。
「…なぜ来た!?これは俺の戦いだ!」
吠えるセイリュウ。
ハヤトは、
「違う! これは仲間が戦っている戦いだ… だから俺は仲間を助ける!」
と言い、アキタ達も加わりました。
仲間という言葉に吹っ切れたセイリュウはしっかりと正面を向き直します…!
「俺は超える… 俺達とヒトの垣根を!」
そして力を振り絞り、再びトラメに向かって剣を振るい始めます!
「新しい道を選ぶという事は、それまでいた世界とは別れるってことだ… その覚悟はできた!」
セイリュウはハヤトと協力して2つのグランクロスを放ち、ついにトラメの撃破に成功するのでした。
「仲間」のもとへ
その夜、超進化研究所のクリスマスパーティがスタート。
ヤクモのプロポーズを正式に断ってきたフタバが現れ一堂は盛り上がりますが、そこで再び部屋のドアが開きます。
そこには…
「招待状…もらったんだ。入っていいか」
ヒトの世界へ行くことを決めましたが、やっぱり素直じゃないセイリュウ。
そこにはしっかりと「ケーキ」のお誘いがありました…。
おわりに
…いかがでしたか?
アキタの母モミジの思い出のケーキをゲンブ、セイリュウとつなぎ、クリスマスで完結させる見事なストーリー展開でしたね!
そして悪役トラメ、お節介好きのアズサ、プロポーズされたフタバのセリフ…。
それぞれの役者がしっかりと噛み合い、素晴らしいストーリーに仕上がったと思います!
44話~50話まで7話に渡ったこのセイリュウエピソード、きっとシンカリオン名場面の一つに数えられることでしょう。
シンカリオン、まこと良いものです…
お読み頂きありがとうございました!
©プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・TBS
©プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所Z・TX